チャレンジひとりドライブ 三春人形の故郷に行ってみた


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このはでやかに舞う三春人形が子供のときからなぜかお気に入りで、嫁入りのときも、一緒に輿入れした。

張子でシンプルな作りなのだけれど、粋で躍動感がある。三春人形という呼び名も何か春を呼ぶようで縁起がいい。

などと思いつつ、そこでハタと考えた。三春って何?地名?

長年一緒に暮らしてきたというのに、そのルーツさえ知らなかったとは。

ググれよ。私。

で、なんとなくわかったことは、三春人形というのは福島県三春で昔から作られている張子や木製の駒(三春駒)。

高柴というところが発祥の地で、今でも「高柴でこ屋敷」と呼ばれ人形を作っているらしい。

高柴の場所は東北自動車道郡山インターから磐越自動車道をいわき方面に入り、最初の郡山東インターで降りるらしい、ということがわかってきた。

最後の「らしい」で、高柴に無性に行きたくなってきた。三春人形見たい。ドライブしたい。

 

我が家から郡山東インターまで約250kmの道程。往復500km。朝出れば夕方には帰れる計算。とは言ってもいくらドライブ好きな私でも100km以上は連続運転しない(できない)から、休み休みの道のりで帰りは夜になるでしょう。

夕飯は作っておくから、自分たちで食べなさい。家族よ。

ということで日帰り一人旅、いざ出発。

 

一人ドライブというのは、周りでは結構敬遠する向きもあるが、実は爽快で楽しい。

亭主や子供といった面倒かつわがままなのもいないし、気を使うような同乗者もいない。

好きな音楽をかけてのんびり行けばよいのである。

高速道路などでは、追い越し車線をがんがん飛ばすなどはもってのほか。適度に走り、適度に休むのが一番。

 

行きは羽生、佐野、那須高原のサービスエリアで休憩したが、よかったのが那須高原。

というのは地元の野菜の直売があって、ネギやジャガイモ、ほうれん草、シイタケなどしこたま買い込むことができたのだ。

道の駅といいサービスエリアといい、この新鮮野菜の直売っていうのが楽しみの1つ。幸先がいい。

 

初めての道だけど、見るもの珍しく、東北自動車道というのは景色もよくて、あっという間に郡山に着く。そのまま磐越自動車道に入って郡山東インターはすぐ。

高速を降りるとそこは丘陵の田園地帯。山道をしばらく行くと、丘の斜面に張り付くように高柴の張子工房の集落が見えてくる。

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福島県の観光サイトによると、江戸時代から300年続く人形工人の里であるとのこと。

それぞれの工房の軒先には達磨の木型や乾かしている人形が並ぶ。

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我が家にあったような三春人形もここでは胡粉を塗られて彩色前の乾燥中らしい。

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張子作りはいまだに手作り。見ていて飽きない。あたたかい。しばし見とれる。

 

高柴でこ屋敷は人形工房というよりデコ(デク=人形)師の里という方が似つかわしい。江戸時代の初頭、三春藩主が農家の副業として技法を伝えるため、江戸から人形師を連れてきて、ここ高柴に屋敷を与えたのが始まりだという。

古い木型が多く残され、一部は福島県文化財の指定も受けているとのことだ。

まるで時間がいつの頃からか止まってしまったような集落の中で、こちらの時間も止まってしまう。

どれ、集落の中にある「おいち茶屋」でそばと田楽でもいただこうか。

 

気に入った三春人形を2つばかり購入して三春の山野を後にする。

帰りも急がない。幸福感に浸りながら、これぞと思ったサービスエリアを覗きながらゆっくりドライブ。

空はもう黄昏てきた。

このトワイライトタイムに走るもまた好きだ。

行くときは期待感。帰りは幸福感。一人ドライブはやめられない。