地球の窓 長瀞岩畳


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紅葉真っ盛りの荒川上流、青い川面と鮮やかなもみじの風景長瀞。

長瀞とは字のごとく「長い」「瀞」緩やかに静かに流れる様子を言い、距離が長いということ。

地図を見ると長瀞を流れる荒川は、山梨県、長野県、埼玉県の県境あたりの甲武信ヶ岳より秩父の山々の沢から流れてくる豊富な水が秩父盆地~長瀞渓谷へ流れ込んでいます。

首都圏を支えている「荒川」名の通り、荒ぶる川と言われ、寛永6年以降、利根川から分離させたり入間川と合流させたり、隅田川に合流させ東京湾に流れ出るルートになるまで、氾濫、工事を繰り返し今の姿になりました。

長さは174キロメートル、秩父の山々からの水が集まるあたりが長瀞となっていて、豊富な水量をもち、流域面積は2、940km²、川幅は御成橋付近で2537 mと日本最大となっています。

 

レッドクリフ

秩父赤壁 レッドクリフ

岩畳対岸の崖、直線的な岩肌が続きます。荒川の流れによって侵食されてきました。

中国揚子江、三国志戦いの舞台赤壁に似ていることで名付けられました。

黒色片岩の成分の鉄が染み出し赤くなったとのこと。

船に揺られて見上げる垂直な壁は、空まで届きそうです。

 

 

もみじ5

 

地球の窓 岩畳 

 日本地質学発祥の地 月の石もみじ公園に日本地質学発祥の地とかかれた石碑があり、特徴のある片岩があちらこちらに置かれています。

明治16年、東京大学に地質学科が創立、初代の教授、ドイツ出身のナウマン博士が地質学の基礎を築き、地質図を初めて作成しました。

この岩畳は大正13年に国指定、名勝、特別天然記念物に指定され、 地質学者の中では地球の成り立ちを知るに貴重な宝庫なのです。

渓谷地下2~30mの高圧化によってできた結晶片岩が長大な時間をかけて隆起し、荒川の流れで削られ磨かれ出来たもので、岩盤は幅50m長さ600mの大規模な岩石段丘なのです。

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岩畳の上を歩いていると、何万年も前から地下深く大陸と太平洋プレートが競り合い、岩石に強い圧力がかかり盛り上がって地表に現れてきたことが奇跡のように思えます。

 

ポットホール (甌穴・おうけつ)

荒川の流れによってで出来たポットホールがところどころにあり、大小さまざまな円形の穴が開いています。

川底や川岸の固い表面に割れ目などの弱い部分は水流によって浸食して、そこに小石が入り込み渦流となって岩の上で回転し続け岩を削っていきます。

ホールの中に丸い石があることもあり、川霧などに洗われているものは、昔は川の中だった事が解ります。

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 穴の中はすべすべとして、何年かけて削られたものなのかと考えるだけでも気が遠くなりそうです。

 

 埼玉県立自然の博物館

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上長瀞駅近くの月の石もみじ公園に隣接する、埼玉の自然と生い立ちをテーマにした博物館があります。

岩畳を歩く前に成り立ち情報を仕入れれば、川面散歩も地質学者になった気分です。

もとは秩父鉱物植物標本陳列所と西武鉄道が開発の際に残したもので、以後90年にわたる歴史の長い博物館です。

入口を入ると体長12mの巨大ザメが出迎えてくれます、海のない埼玉県になぜにサメ?

古代、このあたりが海だったことを示す、海の生物の化石がたくさん見つかっています。

現在生存しているホジロザメの祖先と言われるカルカロドン メガロドンというサメで、昭和61年深谷市荒川の川床の地層(約1000万年前)よりこのサメの歯の化石が見つかりました。

サメ歯

 博物館は「過去から未来へ埼玉3億年の旅そして自然と人との共生」というテーマのもとに地質学から、自然資料の保管、調査研究、学習支援など力を入れて情報発信の場となっています。

出土したたくさんの化石、岩石、鉱物の展示や、地層の様、大地の出来上がる成り立ちなどを分かりやすくジオラマなどで再現しています。

一億年前の白亜紀の化石などは保存状態もよく、アンモナイトや巨大ザメたちが泳ぎ回ったであろう海であったことなど考えると、地球内部の動きが見える、地球の窓の意味がわかります。

 

長瀞の名物 豚肉のみそ漬けと自然氷

秩父には明治中期の頃から絹織物が盛んで長瀞も賑い、この地には三峰神社の参拝者が立ち寄った宿場町がありました。

今でもそのままの建物が、宿、甘味や、カフェなどになって営業を続けています。

岩畳通り商店街は、秩父鉄道長瀞駅から岩畳へ出るまでの間に、土産物店やお食事処などが懐かしい風景とともに並んでいます。

地元のグルメを堪能できるスポットとなり、テレビなどでも何度も紹介されています。

昔、繭の卵を保存するために盛んに作られていた、自然に凍った氷が有名です。

皆野町には明治より創業の天然氷の製造元があります。

長瀞にもその氷で削ったかき氷が大人気です。

 
 
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先日、お邪魔した高田馬場にある「長瀞とガレ」、長瀞の本店にお邪魔してきました。

高田馬場の店長さんのお母さんが丁寧に焼いてくれる味噌漬けの豚肉を、もちもちの生地でくるんだ「ガレ」たくさんの行列ができていました。

香ばしい味噌の香りと柔らかくしっかりとした味付きの豚肉、地元で採れた野菜とともにくるんであります。

名産品がずらりと並んだお土産さんにもなっていて、奥にはくつろぎコーナーでお茶もいただけます。

 
図1

 

段差のある岩畳を延々と歩き、程よい疲労感に、美味しいものは必須です。

 

前編でご紹介した紅葉もそろそろ終わりですが、大みそかには宝登山神社も大賑わい、2月には見事な蝋梅も見られ、年間を通して観光客が訪れる長瀞。

日帰りでも名所が近くに固まっていますので、移動も楽でたのしめます。

是非お出かけしてみてください。