銀座ミツバチプロジェクト


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数年前、アメリカでのミツバチ大量失踪という騒ぎがありました。それから、『ハチはなぜ大量死したのか』という本を読み、『みつばちの大地』というドキュメンタリー映画を岩波ホールで観ました。農業の作物生産の1/3以上が蜂の受粉に依存していると言われています。そんなミツバチが愛おしく思えてならないのです。そして、養蜂に対しての興味が増し、巣箱とかを観てみたいと考えていました。今回は、銀座のビルの屋上で、ミツバチたちに会いました。

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海外において、パリ市内のオペラ座やホテルリッツなどで養蜂が行われており、ニューヨーク市でもマンハッタンに数百箱の巣箱があると聞いていました。今回訪問したのは、東京のど真ん中、銀座3丁目「紙パルプ会館」の屋上(地上45m)で展開されている養蜂です。NPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」が2006年から始めたものです。現在は、1匹の女王蜂とそのファミリーがいる巣箱が5箱(5群)あります。

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都会でハチミツが採集できるのか、と思われる方も多いと思いますが、実は銀座近辺には多くの花の恵みがあるのですね。ミツバチは半径3㎞を移動して蜜を集めたり、花に受粉したりするとのことですが、その範囲には、皇居、日比谷公園、浜離宮、そして銀座の並木=街路樹があります。確かにマンハッタンもセントラルパークという巨大な緑地がありますものね。

蜂=刺す、というイメージもあり、銀座周辺の方々の反応も気になったのですが、ミツバチは優しく扱えば、刺したりすることはないようです。銀座での養蜂でミツバチが蜜を集めるということは、皇居や浜離宮の花の受粉を促進して結実させるということになります。そうなると、その実を目当てに野鳥も集まるという自然のサイクルになります。また、松屋のビルにツバメの巣ができ、5匹の雛が育っていたようですが、ツバメたちは、屋上の養蜂場に時たま来て、ミツバチを捕食しています。かわいそうな感じもしますが、自然界の摂理です。我々も蜂蜜を分けていただいていますから。

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屋上の養蜂から発展連動して、「銀座ビーガーデン」というビルの屋上や上階のテラスを緑地化するガーデンができました。ミントやローズマリーはじめ数種類のハーブが育っています。今では、多くのビルも実践し、野菜や果物も栽培されているとのことです。ミツバチの採取場所、休憩場所、柔らかく言えば「遊びに行けるところ」が増えるメリットとヒートアイランド対策というメリットがあります。

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そして、採取したハチミツは銀座のパティシエやバーテンダーによってスイーツやカクテルに利用されていますが、ガーデンで摘んだミントもモヒートとかに使用していると聞きました。

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コラボレーションとして、ハチミツは文明堂のカステラの原料に使われています。また、ミツバチの酵母を使用して、「銀座ブラウン」というビールも限定販売しています。ハチミツ入りではないので甘いことはなく、かすかにシナモンの香りがするそうです。

養蜂家はアカシアとか特定の樹木から採取したハチミツで、一定の味を保つようにしますが、銀座ミツバチたち、様々な樹木、季節とともに変化する花から集めるので、味は毎週変化します。毎週土曜日に巣箱から人の手でハチミツを採るそうですが、そのたびに銀座と周辺の季節ごとの環境を味わえる感じでしょうか。銀座ミツバチが集めた、2種類の蜂蜜をテイスティングさせていただきました。ソメイヨシノは濃厚な桜風味で、ユリノキはすっきりした味でした。この記事トップの写真が当日購入したユリノキの蜂蜜です。

「米国の大型の養蜂業者はハチミツの採取というよりは、大型農場の受粉を請け負うことで利益をあげる体制で、農場は効率のために農薬を大量に使用していて、またダニへの耐性の問題等々があり、失踪や大量死の一因ではないか」と関連書籍には記述されています。真相はわかりませんが、都会でありながら、自然に近い形で、いろいろな花と出会える銀座ミツバチは、ある意味では幸せなのかもしれません。

ミツバチの一生は30日程度です。働き蜂の生涯は、「日齢分業」と言われます。幼虫から成虫になって、巣内で掃除当番、子育て当番、巣作りや門番役等を経て、最後の10日間程度が外勤者として外に飛びたち、蜜を集める担当になります。そして、力尽きて一生を終えます。銀座の巣箱のまわりにも、元気がなくなって飛べない状態や死んだ蜂が床に落ちていました。働き蜂さん、お疲れ様でした。

予約制で見学ができますので、詳細は下記をご覧になってください。

銀座ミツバチプロジェクト 

http://www.gin-pachi.jp/