チャレンジひとりドライブ

第一回「カーフェリーに乗ってみた」


女性の私がなぜひとりドライブにチャレンジしようと思ったのか

ずっと、ひとりドライブにあこがれていた。

家族旅行。家族の用事。買い物。なんだかんだでクルマを運転する機会は多い。でも「子供」や「買い物」や「用事」ではなく、自分のためにドライブをしたということは、まずなかったような気がする。

子供も独り立ちした今、「私だけ」のドライブがあってもいいのではないかとふと考えた。誰のためでも、何に束縛されるでもない、自分が満喫するための自由なドライブ。

なにかのきっかけで「こんな所に行ってみたい」と思うことが昔からあったけれど、まず実行できなかった。一人で運転することに気後れしていたのかもしれない。

だが、クルマ一台あれば、行ってみたかったこと、やってみたかったことがかなうのだ。

山盛りの興味と溢れる期待と小さじ一杯ほどの勇気を持ってでかけよう。

 

最初のひとりドライブは子供の頃に乗った宇高連絡線の記憶から「カーフェリーに乗る」ことに決めていた。クルマを船に乗せてあちらの港まで行くだけなのだが、単なるドライブよりなんとなくスケール感とロマンがある。と自分では思っている。

選んだのは東京湾フェリー。プチチャレンジなひとりドライブにとっては、身近なフェリーだ。神奈川県久里浜から千葉県金谷まで約40分の手軽な船旅が楽しめる。

クルマをチェックし、タイヤもこの日のために交換。準備万端。いよいよ旅の始まり。

 

まず首都高に乗り、湾岸線から横浜横須賀道路を経由して久里浜へ。

実は一人だけのドライブという事で最初はドキドキしたのだが、高速に乗ったあたりから「自分のためだけに走っているのだ」という実感がわいてきた。心が躍る。

あっという間に埠頭へ到着。拍子抜けというかやれば結構できるものである。

 

40分の航海気分

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フェリーは狭い東京湾内の連絡船といっても近くで見るとなかなか大きいもので、初めて見ると圧倒される。

 

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慣れた人にはなんでもないのだろうが、順にクルマが船に吸い込まれ、短時間にしかも整然とデッキに並べられていく様は壮観だ。トラック36台。乗用車110台。バス16台が積載できるらしい。これだけでも見る価値はある。

 

客室もいいが、航海気分を味わいたいなら、甲板に出ることをおすすめしたい。潮風を浴びながら、行き交う船や水平線を見ていると飽きることがない。

カモメが風に乗り、どこまでもフェリーを追ってくる。くちばしに手が届きそう。

たった40分の航海だが、至福の時間にするのは自分次第。大満足で金谷に到着する。

 

金谷上陸

そろそろお昼。金谷港から程近い「漁師めし、はまべ」へ直行。

それこそ浜辺に面した小さなカウンターだけのお店で、元漁師さんの奥様が切り盛りしている。

アジの漁獲量を誇る金谷の港。当然注文は「アジ、いきます。フライで」。

 

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出されたアジフライは三枚におろしてあり、とにかく身が厚く脂がのっている。都会ではなかなかお目にかかれない美味しいアジを堪能した。

 

鋸山

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クルマと一緒。これがフェリーのいいところなのだろう。鋸山まで行くのもいいし、海岸を走るのも自由だ。タイヤのならし運転も兼ねてすこしドライブしよう。

鋸山の頂上に向かう風景は、なんとなくハワイのような感じ。タイヤの感触も心地よく、ちょっとコーナーを攻めてみる。

 

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頂上からは金谷港を見下ろすことができる。遥か水平線の向こうの首都高を走ってフェリーに乗り、ここまで上がってきた。初めてのひとりドライブにしては上出来だと思う。

 

帰りもフェリーにした

もう一度フェリーに乗りたくなって、黄昏の海を復路、久里浜に向かう。

 

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ひとりドライブは日々に追われる自分をリセットしてくれた。隠れていた好奇心を目覚めさせてくれた。

一歩踏み出してプチチャレンジをすれば、きっと新しい景色が迎えてくれる。

さて次はどの景色に会いに行こう。

 

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文 岡よしみ

 

<取材協力>

東京湾フェリー 電話046-830-5622  URL http://www.tokyowanferry.com/

はまべ     電話0439-69-2090