さくら 咲く 壱の巻 


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ソメイヨシノ 染井吉野

一般的に多くあちこちで見ることができますが、もともとは新しい品種なのです。

エドヒガンとオオシマザクラとの交配によって生まれたクローン、ソメイヨシノ。

明治初期ごろ、江戸の染井村(現在の東京駒込あたり)の植木職人によって生まれた品種で、奈良の吉野山の吉野桜として広まったが、山桜とは違うので区別するために「染井吉野」と名付けられたそうです。

染井吉野は先に花が咲き、葉が後から出てくるために、見栄えの良いことから好まれていったようです。

寿命は60年と言われ、戦後一斉に植えられたものは、かなりの大木となっていますが、キノコによって倒れたなどという話も聞きます。

接ぎ木で増やされたクローンであるがゆえに、隣にある染井吉野を自分自身だと思い、枝を伸ばし、大きく枝を広げ大木になります。よって日が差し込みにくい地に近い部分にカビが発生し菌によって枯木になるのが早いということです。

人の手で増やした染井吉野は、選定をしたり管理をして人の手を借りなければ弱ってしまうのです。

 

「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」

 

林芙美子(享年47歳)が好んで描いた句です。はかない花の命をわが身に置き換え詠った心情はどんなものだったのでしょう。

 

写真は林芙美子が最後に住んだ新宿区の妙正寺川ほとりの一枚。

まだ二分咲きというところです。

窓の明かりに照らされ、のぞき込むように咲き始めました。

 

一斉に春の訪れを知らせる桜の開花。各地の桜を連載します。

フリーエイジ編集部