皮膚科医が語るスキンケアの基本

5月の紫外線に気をつけろ!(UV対策初夏Ver.)


5月は紫外線量のピーク?

ゴールデンウィーク、お出かけの方も多いと思います。BBQ、ピクニック、登山、海外のビーチ・・・。気温も上昇していますが、実は5月というのは、たくさんの紫外線が降り注がれている時期なのです。紫外線は、シミやシワの原因となりうる厄介な相手です。シミもシワも長年の積み重ねによるものが大きく、出てきてしまってから、ひっこめるのはなかなか困難。そんな悩みの根源である紫外線に関してのお話です。

 

私のクリニックには、毎年必ず、ゴールデンウィークの後に、ひどい日焼けをした患者さんがみえます。河原などでBBQなどを楽しまれて、その夜には日焼けで肌は真っ赤、痛みで一睡もできず…。そんな皆さんは口をそろえて、「曇っていたので大丈夫だと思った」とおっしゃいます。油断しがちな曇りの日こそ注意が必要です。

日焼けした直後の患者さんは、とにかくこのヒリヒリ痛みを何とかして欲しいと受診されます。これについては、副腎皮質ホルモン(ステロイド)系の外用薬、症状によっては内服薬併用で数日内に治まりますが、痛みがなくなるや否や、「この色はもとに戻りますか?」、「シミが残りますか?」と心配される方が少なくありません。

しかし、その質問への答えは…炎症の度合いや個々の肌のタイプにもよりますが、自信を持って、「心配ないです!」とお約束できないのが現実。もちろん美白効果のあるクリームなどで多少の効果は期待できますが、シミを作りたくなければ日焼けする前に気をつけることが大切です。

 

紫外線の種類

UV-A 真皮まで届く。窓ガラスを通る。日焼けにおける色素沈着(サンタン)、光線過敏、シワ、たるみなどの光老化の原因となります。

UV-B 真皮まで届かない。基本的に窓ガラスを通らない。日焼けにおける炎症(サンバーン)、シミ、そばかす、発癌の原因になります。

UV-C オゾン層で吸収され、地表には届きません。

 

紫外線量

春先から増え始め、5~7月でピークに達します。紫外線のピークは、気温のピークより早いのです。そして、冬場でも紫外線は降り注いでいます。1日の中では10時~14時が最も強く、ちょっとした屋外作業の間でも意外と日焼けします。晴天を100%とすると、薄曇りで50~80%、雨でも20~30%の紫外線が降り注いでいます。

 

UV INDEX 2014Tokyo

 

 

 

 

 

 

 

 

「日最大UVインデックス(推定値)の年間推移グラフ」
東京/2014年のデータ 出典: 気象庁

 

日焼け止め

日焼けを防ぐためのUVケア用品としては、日傘、長袖、帽子、サングラス、日焼け止めなどありますが、ここでは日焼け止めについてお話したいと思います。

日焼け止めに表記されているSPFはUV-Bに対して、PAはUV-Aに対してどのくらい防げるのかを表してします。さて、SPFのあとの数字の意味をご存じですか?

これは何もつけなかった時と比べて何倍の時間日焼けを防げるかを表しています。紫外線にさらされてから赤くなるまでの時間は個人差がありますが、例えば何もつけないと20分で赤くなる人が、SPF30の日焼け止めをつけると20×30=600分、SPF50なら20×50=1000分防ぐことができるというわけです。実際は汗や皮脂で日焼け止めが落ちてしまい効果が持続しないので、SPFの数値の高さに安心せずに2~3時間ごとに塗り替えましょう。

 

SPF50

 

日焼け止めの種類

日焼け止めには「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。紫外線吸収剤は、一般にSPFが高いほど肌への負担が大きい傾向があります。敏感肌の方、お子さんにはSPF30くらいまでの紫外線吸収剤無配合(ノンケミカルタイプ)のものをおすすめします。

最近はかなり改良されていますが、紫外線散乱剤は含有物の特性上、つけると白浮きしやすい難点があり、私も鏡を見ずに重ね塗りしたら、「バカ殿」状態で大笑いされた経験があります。一度に大量に塗ろうとせず、鏡を見ながら、日焼け止めを肌に押さえるようにして塗り重ねていくと良いようです。

 

日焼け止めの正しい塗り方

顔の場合、クリームタイプならパール玉2つ分、ローションタイプなら100円硬貨2つ分が適量とされています。どちらもまず1つ分を顔の何か所かに分けて置き、指の腹でやさしく押さえるように伸ばしてから、もう1つ分を同様に重ねてムラなく塗りましょう。体の場合も同様に、腕は顔と同量、足は2~3倍の量を目安に重ねて塗りのばして下さい。

ゴシゴシ擦りすぎず、優しく押さえながら伸ばすのがポイントです。

 

日焼け止めの落とし方

日焼け止めによっては専用クレンジングを使用しないと落ちない場合もありますが、最近では普通の洗顔料や水のみで落とせるものもあります。いずれにしても、肌に負担にならない方法でしっかり落とすようにしましょう。

 

【重要】紫外線対策まとめ

  • 真夏以外の紫外線にもしっかり対策を。
  • 日焼け止めを塗るときは一度に塗らず、数回に分けて重ね塗りを。
  • SPFが高い日焼け止めでも油断せず、2~3時間ごとのこまめな塗り替えを。
  • 肌の敏感な方はノンケミカルでSPFの高くないものを。
  • 一日の終わりには日焼け止めをしっかり落とす。ただし肌に負担のない方法で。肌に負担を感じる時は日焼け止め選びから再考しましょう。

 

日光浴の効果

こうして紫外線を悪者のように書いてきましたが、紫外線によって骨に必要なビタミンDが作られたり、波長の狭い紫外線がある疾患の治療に有効だったりと、紫外線にも良い面があります。適切に肌を守りつつ、太陽の恵みを浴びて過ごしていけたらいいですね。

 

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かみいた南クリニック

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