皮膚科医が語るスキンケアの基本

嫌われ者の「ムシ」Vol.1


嫌われ者の「ムシ」についてお話します

 

春になりだんだんと暖かく過ごしやすい季節になってきましたね。寒く乾燥の季節が終わり、これから夏に向かって気温も湿度も上がってきます。そんな季節に増えるのが・・・そう「水虫」です。

水虫はお年寄りや不潔な人がかかる病気と思っている人もいますが、そんなことはありません。スーパー銭湯やスポーツジムに通う健康志向の高い人や、ブーツをさっそうと履きこなすお洒落な人などなど、老若男女問わず感染のリスクは様々な場所にあります。若者や女性の患者さんも少なくありません。頻度は多くありませんが、水虫のお子さんもいます。

水虫の正式病名は白癬症です。白癬菌という真菌(カビ)の一種が肌に接触することによって起こる感染症です。しかし、この感染はすぐに起こるわけではありません。白癬菌が角質内に入り感染が成立するには、健常な皮膚で通常24時間を要するとされています。ただし、加齢や病気などで免疫が低下していたり、足に傷があったりするときは、菌が角質に入り込む時間が早まります。

白癬症は足だけでなく、頭や顔、体や手などにも起こりうるものですが、ここでは頻度の高い「足」と「足の爪」の水虫についてお話ししたいと思います。

 

足の水虫には、大きく3タイプあります。

・趾間型 足の指の間が白っぽくふやける。ジクジクする。

・小水疱型 足の裏や側面の皮膚に水ぶくれができる。皮がむける。

・角質増殖型 踵や足の裏全体の角質が厚くなる。全体に白っぽくなる。ひび割れることもある。

そして、爪の水虫

・爪水虫 爪が厚くなり、白濁、黄白濁してボロボロしてくる。

 

水虫の治療

足の裏や足の指の間の水虫は、基本的に外用薬のみで治ります。(角質増殖型は難治性で内服薬が必要なこともあります。)角質増殖型を除き、数週間で改善することが多いですが、見た目が何ともなくなっても菌は残っています。症状が消えて、すぐに外用を中止してしまうと再発しやすいので、少なくとも1か月以上は続けましょう。当院では3カ月以上外用を継続することをおすすめしています。

また、外用する際は症状のある部位だけでなく、足の裏全体とすべての指の間に薬を塗るようにしましょう。たとえ症状があるのが片足だけ、とか、指の間1カ所だけだったとしても、両足全体、指の間もすべて塗りましょう。

そして、用法にそって、1日1回または2回、毎日しっかり外用しましょう。

爪水虫は従来の外用薬のみでは、なかなか改善が期待できず、抗真菌薬の内服の適応となります。最近は内服薬と同等の効果が期待できる外用剤も出ました。いずれにしても、爪水虫の治療には半年から1年かかるので根気が必要です。このように爪の水虫になってしまうと治療も大変です。爪に菌が入ってしまう前に足の水虫をしっかり治してしまいましょう。

 

次回は、水虫の予防法と注意点についてお話しします。

 

服部綾子

かみいた南クリニック

174-0076 東京都板橋区上板橋2-31-16 サンコービル3F

 

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