皮膚科医が語るスキンケアの基本

ヘアカラー剤かぶれ [後編]


ヘアカラー剤によるかぶれ[後編]

 

まずは、前編のおさらいをします。

免疫の過剰反応

アレルギー性のかぶれは、抗原となる物質(かぶれの原因物質)に、一度ないし何度か接触するうちに、免疫細胞が“これを追い払うべきだ”と認識(感作)し、これにより免疫が過剰に反応を起こします。その結果、炎症細胞が皮膚を攻撃することによって、皮膚炎を起こします。

突然の発症

感作が成立するまでに、時間や回数がかかるため、同じ製品を何度も使用して何事もなかったとしても、突然発症することが多いのです。

かぶれが治まっても、同じ反応は起きる

一度感作されると、それから先は永遠にその原因物質に接触するたびに炎症を繰り返します。毛染め剤が接触していない、顔や体にまで、皮疹が拡大してしまうリスクもあります。

上記のような、アレルギー性かぶれの問題はあっても、どうしても、おしゃれ染めや白髪染めはやりたいと思う方も多いはずです。特に白髪次第で、見た目の印象年齢はかわりますものね。以下、原因と対策について書かせていただきます。

 

美容室で使用しているものも市販のものも、毛染め剤によるかぶれは、そのほとんどが、パラフェニレンジアミンなどのジアミン系と、パラフェノールといった化学物質によるものです。毛染めをして、痒み赤みなどの症状がでた時は、○○ジアミンやパラフェノールなどが含まれていないか確認してみて下さい。

繰り返しになりますが、一度かぶれたら、その成分を含むものは、永遠に避けなければなりません。毛染め剤によるかぶれを起こした場合、染めずに自然のままでいるのが、一番安全です。

とは言え、「そういうわけにはいかない!」という声もよく聞きます。その場合は、植物性の染料(ヘナなど)やヘアマニュキュア、ヘアカラートリートメントなどで代用しましょう。ただし、植物性とうたっていても、一部ジアミン系の化学物質が含まれていることもあるので注意が必要です。これらのものも100%安全とは言えません。痒みや刺激があったら使用せず皮膚科を受診しましょう。

毛染めをする前に、パッチテストを施行してくれる美容室もあります。パッチテストは100%の陽性率ではないため、正確性に欠けますが、参考にはなるので相談してみるといいでしょう。ただし陰性の場合でも、実際に染めたときに何かしらの症状が出たら、それ以降は使用しないようにしましょう。

ポイント:アレルギー性のかぶれ全般に対して

  • 今まで何の問題もなかったもので突然かぶれる・・・かぶれとはそういうものです。
  • 繰り返すことで症状は激しさを増していきます。
  • ゆえに一度かぶれたもの、またその類似物質を含むものに二度と触れないようにすることが大切です。

「たいしたことがなかったから、また染めても大丈夫!」、「薬ですぐ治ったから、またかぶれても薬で治せばいいや!」と思ってしまいがちですが大丈夫ではありません!

あとあとで後悔しないためにも、そんな心の声、誘惑に負けないでくださいね。

 

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パッチテストのイメージ (出典:佐藤製薬株式会社)
パッチテストは皮膚科で実施できます。
(施設によりますので、事前に問い合わせしてください)
その際は、抗原を背中、または腕の内側に貼付し、48時間後にはがします。
結果判定は48時間後と72時間後に行います。
赤くなったり、水ぶくれができていれば陽性=その抗原でかぶれます。
 
 

服部綾子

かみいた南クリニック

174-0076 東京都板橋区上板橋2-31-16 サンコービル3F