糖質制限は体にいい

第5回 ヒトが太るメカニズム


ヒトが太るメカニズム

みなさんは、何を食べたら太ると考えていますか?

ほとんどの人が、肉や脂を食べたら太る、と思っているはずです。現代の栄養学でも、それが“常識”とされています。ところが近年、どうやらそれは間違いだったということがわかってきました。ヒトを太らせる栄養素は、タンパク質や脂質ではなかったのです。

ヒトは、炭水化物・タンパク質・脂質の3つをエネルギー源として、脳や筋肉を動かして生きています。しかし、食べた分がなかなか使い切れず、どうしても余りが出てしまう栄養素があります。

この“余り”は、予備のエネルギー源として体内に備蓄されます。700万年前の地球に誕生して以来、ずっと飢餓との戦いを続けていた人類にとって、それは生き残るための知恵でした。そうして種の存続を図り、進化を遂げてきたともいえます。

その予備エネルギーとは、体脂肪です。おなかや二の腕や太ももについて、みなさんがいまいましく思っている贅肉は、実は飢餓に備えて蓄えられたエネルギー源。そして、その原料が何かというと、摂取した炭水化物(糖質)です。

ヒトが炭水化物(糖質)を摂取すると、胃腸で消化・分解されてブドウ糖となり、血中に放出されて血糖値を上げます。そのとき、膵臓がインスリンというホルモンを分泌し、ブドウ糖とともに細胞に取り込んで、エネルギー源として利用します。このことで、食後にいったん上がった血糖値もすみやかに下がります。

この状態が正しく維持できていれば問題ないのですが、摂取する炭水化物(糖質)が多すぎて余っているのが現代人。体は、せっかく取り込んだエネルギー源を無駄にしないよう、なんと脂肪に変換して備蓄する……。これが、ヒトが太るメカニズムです。

同時に、インスリンの分泌に大忙しだった膵臓は疲弊してしまい、やがてインスリンを分泌しなくなります。別の理由から、分泌されたインスリンが効かなくなる状態に陥る場合もあります。それらの状態になるとブドウ糖の処理ができなくなり、血糖値の高い状態が続く――。これが、糖尿病(※2型=成人病型)です。

つまり、肥満と糖尿病の原因は同一であり、それは糖質の過剰摂取なのです。

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