季節の彩りを楽しむ

「節分」 春待ち遠しい 新年を迎える行事


もうすぐ待ち遠しい春。春、そして新年を迎える「節分」の行事

2016.1.19アップ

節分とは文字のとおり「節(せち)分かれ」、季節の分かれ目のことです。立春・立夏・立秋・立冬の前日はすべて節分ですが、現在では一年の始まりである「春」すなわち立春の前日が節分行事として残っています。

立春は二十四節気の1つで旧暦の正月の節。立春が一年の始めとされ、決まり事や季節の節目はこの日が起点になっています。(八十八夜、二百十日、二百二十日も立春から数えます。)

立春を翌日に迎える節分は、新しい春が始まる大晦日でもあります。寒さや陰気、病気や災害、不幸の象徴の「鬼」を祓い、明るい春の陽気や「福」を迎える日が節分。それぞれの季節の影響力が弱まる節目は、鬼門が開くと考えられているため、悪いもの(鬼)が入ってこないよう封じる意味もあるようです。

「鬼は外、福は内」の掛け声でおなじみの豆撒きの風習は中国の「追儺(ついな)」の儀式に由来すると言われています。追儺は「鬼やらい」も言い、疫病や災害、陰気や寒さなどを鬼に見立てて追い払う行事で、中国では紀元前3世紀の秦の時代にすでに行われていたそうです。当時は豆ではなく弓矢や矛と盾などで鬼を追い出したと言います。日本には遣唐使によって伝えられ当時の文武天皇がこの追儺を行ったのがはじめとされています。その後、次第に民間に広がっていつしか豆撒きの行事として定着していったようです。

豆撒きの豆は「福豆」と呼ばれ、生の豆を煎ったもの、豆を「いる」=矢を「いる」と同音で、煎ることによって鬼をやっつける意味があり、他にも焼いた鰯を柊の枝に挿して飾る習慣は、鰯の臭いで鬼を払い、柊のぎざぎざの葉で鬼の目をつくという意味合いのようです。

お正月を過ぎて、お雛様には少し早いし・・・、かくいう私もこの時期は季節のお花以外で何を飾っていいものか、ふと考えてしまいます。節分を迎える室礼、何となく見過ごしてしまいがちですが、まさに新しい年、春を迎える大晦日、今年は「福」を呼ぶようなこんな飾り方はいかがでしょうか?

2016.1.19全体

朱と黒のリバーシブルの木製の折敷を2枚使って、手作りや市販の鬼とお多福のお面を貼り付け、壁面に立て、もう1枚の折敷の上に今回は小さな美濃和紙を色違いで敷き、升を3つのせて豆と2月の誕生花のマーガレット、フリージアを紅白であしらい、一足早い春を演出しました。

マーガレットの花言葉は「誠実、恋占い」、フリージアは色によりますが「無邪気、あどけなさ、純潔、憧れ」。フリージアは春の香りも運んでくれます。他にも2月の花の梅、サクラソウなどをあしらっても季節感があって素敵ですね。

*ただし、サクラソウはかぶれ(アレルギー)を起こしやすいので注意が必要です。

私たちの暮らしもハード、ソフト両方の面から「欧米化」が進み、イベントもクリスマスやハロウィンといった華やかな西洋のイベントが取り入れられ定着しつつありますが、古くから続く日本の伝統行事を見直し、また外国人観光客の急増や2020年のオリンピックもふまえて あらためて、海外の方にも本当の「日本」、「和」の心をお見せするいい機会なのではないでしょうか?

何より、季節の室礼を大切にする心は、忘れかけていた本当の意味での「豊かさ」や「潤い」のようなものを見直すいいきっかけになる気がいたします。
(もう1ついいこととしては、家が片付いてキレイになります!)

連載では折にふれて日本の伝統行事の室礼なども 「今」に合った飾り方も含めてご紹介して参りたいと思っております。

 

小野由美子

STUDIO the bloom

http://www.studiothebloom.net/