お金にまつわるエトセトラ

第4回「相続」未分割で申告した後のこと・・・


未分割で申告した後のこと

 

前回、「争続」になってしまった場合は、未分割(まだ遺産が誰のものになるか決まっていない状態)ではあるが、法定相続で相続したものとして申告をするとお話しました。

この仮の申告の後に、実際に遺産分割が無事成立したら、その時に、税務署に修正申告(仮の申告よりも税金が多くなった場合)または更正の請求(仮の申告よりも税金が少なくなった場合)をします。

ただし、遺産分割が3年以内にまとまらないと、以下の本来は受けられるべきの税務メリットが受けられなくなります。したがって、そうも行かないのでしょうが、なんとか3年以内に、「大人の解決」、「大人の決断」をすることをお勧めします(?)

 

樹木われ

 

受けられなくなる税務メリット

 

1. 配偶者に対する相続税の軽減が受けられない

亡くなった方の配偶者は、法定相続分か、1億6千万円のどちらか大きい額までは、相続税はかかりませんが、未分割の場合は軽減されません。

 

2. 小規模宅地等の評価減が受けられない

遺産の中に居住用や事業用の宅地等がある場合は、一定の面積までは、本来の評価額の20%~50%にまで評価減できるのですが、未分割の場合は評価減されません

 

3. 物納ができない

まだ分割が決まっていない財産の物納を申請するためには、相続人全員の実印が必要なので、「争続」進行中jの状況では、おそらく物納の申請はできません。

 

4. 農地等の納税猶予が受けられない

 

このうち1と2は、10か月後の仮の申告書を提出する際に、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、3年以内に財産を分割すれば受けられます。

 

それにさらに救済措置がありまして、3年後にまだ裁判係争中などのやむを得ない事情がある場合は、その裁判等が決着したなどの事情がなくなった日の翌日から4カ月以内に分割されれば、税額軽減を受けられます。

 

裁判になると、相続税以外にも弁護士費用やら、お金に換算できない精神的負担やら、兄弟間の過去の嫌なことなども思い出しますので、できれば避けるべきでしょう。

 

それでも、どうしても係争することになってしまったら、3年を目安に争うことにしましょう・・・なんて言っても無理でしょうが。

 

次回は、裁判ではどのようなことが争われるかをお話します。

ドロドロです。

 

 

林 卓也

税理士法人 SETACS

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