皮膚科医が語るスキンケアの基本

「保湿」乾燥する冬に向けての対策を!


秋が深まってきました。空気も肌も乾燥の季節です。

最近やけに体が痒い・・・なんてことはありませんか?

 

肌のうるおいは「皮脂」、「天然保湿因子」、「角質細胞間脂質」という3因子によって保たれています。

 

皮脂: 天然の油膜として肌の表面を覆い水分を逃がさない

天然保湿因子: 水分と結合し水分を補う

角質細胞間脂質: 水分層と脂質の二重構造で水分を挟み込み水分を保つ

 

加齢などによるこれらの減少に加え、外気や空調などによる室内の乾燥、体の洗いすぎなどで肌が乾燥し、カサカサ肌や痒み、ひどくなると湿疹ができます。

これを防ぐためには、体の洗いすぎに注意し、空気が乾燥し始める秋からしっかりと保湿剤でスキンケアすることが大切です。

 

入浴時の注意

石鹸を用いて洗う場合はしっかり泡立てることが大切です。

体を軽く濡らした後、手で優しく洗いましょう。固形石鹸やボディーソープを直接肌につけるのは刺激が強いのでやめましょう。また、ナイロンタオルやスポンジは肌を傷つけ、場合によっては色素沈着を引き起こすことがあるので避けましょう。

汚れた部以外は毎日石鹸で洗わなくても清潔を保てるため、特に乾燥しやすい冬場は、手や足の裏など汚れている部分以外は石鹸を用いず、数日に一回全身を泡で洗うようにすると乾燥を緩和できます。どうしても毎日石鹸で洗わないと落ち着かないという人は、低刺激のボディーソープをよく泡立てて、手もしくは綿のタオルで洗うようにしましょう。

42℃以上のお湯は必要以上に皮脂を奪ってしまうため、39℃~40℃くらいのお湯で、入浴時間は10分~15分程度にしましょう。

 

保湿

入浴により皮脂が洗い流されてしまうため乾燥しやすくなります。入浴後すぐ、少なくとも5分以内に保湿剤を塗りましょう。

 

薬局などで市販されている保湿剤は成分としてワセリン、ヘパリン類似物質、尿素剤など様々で、また、その形状もクリームやローションなどなど、何を選んでいいか迷われることもあるかと思います。ここではその違いについて簡単に説明したいと思います。

 

ワセリンは皮膚表面に油の膜を作ることにより、皮脂の代わりをし、皮膚からの水分蒸発を防ぎます。肌には優しいですが、皮膚が水分を含んでいないとき(入浴直後以外)にはあまり保湿できません。

これに対し、ヘパリン類似物質と尿素剤は空気中や皮膚の中にある水分をつかまえて保持し、皮脂だけでなく、天然保湿因子の役割も果たすため、保湿力に優れています。よって、入浴後以外でも一定の効果が期待できます。ただし尿素剤は刺激があるため、敏感肌や湿疹のある方にはしみてしまうことも多いのでおすすめしません。ヘパリン類似物質は尿素剤に比べ刺激は少ないですが、もしこれでも刺激を感じるときは症状が改善するまではワセリンを用いてスキンケアすることをおすすめしています。

 

 季節

 

保湿剤の形状としては、化粧水タイプ、ローションタイプ、クリームタイプ、油脂性軟膏タイプなどあります。一般に油脂性軟膏タイプが最も保湿力が優れていますが、ベタつきやすいので、季節や肌の状態に合わせて選ぶと良いでしょう。

 

ローションタイプのものはのびがよく塗りやすいのですが、一度塗っただけではしっかり保湿できていないことが多いので、何度か重ねて塗りましょう。

油脂性軟膏やクリームタイプのものは多少ベタつくくらい(ティッシュペーパーが貼りつくくらい)ちょうどいいです。

 

 ティッシュ

 

これから冬を迎え、ますます空気が乾燥する上に、暖房でさらに皮膚は乾燥していきます。体中痒くてひっかき傷だらけ…朝起きたらパジャマが血だらけ…夜痒くて眠れない…

などのトラブルを予防するため、室内の適度な加湿に加え、多少面倒でもお風呂場に保湿剤を常備し、日々のスキンケアを秋のうちから習慣づけておきましょう。

 

皮膚科では、湿疹の治療だけでなく、保湿剤の処方や日々のスキンケア指導も行っているので、カサカサ肌やカユカユ肌でお悩みの方は気軽に皮膚科を受診して下さい。

 

 

かみいた南クリニック

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