お金にまつわるエトセトラ

第3回 争続・争族になってしまったら、どうする?


争続・争族になってしまったらどうなるのか。

 

さて、「相続」も無事に終わったから、「これからも引き続きみんな仲良くやっていこう」と、どの家庭でも、このような宣言がされればハッピーなのですが、はからずも「争続」、「争族」になってしまったら、いったいどういうことになるのでしょうか。

 

前回お話したように、相続人すべての同意のもと、「遺産分割協議書」を作成して、それぞれが実印を押印しなければ、被相続人の預金もおろせなければ、自宅を登記することもできません。

 

それでも相続税がかからないケースであれば、ずうっとケンカをしていてもよいのですが(笑)、相続税がかかる場合は、被相続人が亡くなったことを知った日から、10か月以内に相続税の申告書を税務署に提出しなければなりません。

 

遺産争族FullSizeRender

 

さて、ケンカ状態、もしくは話がまとまらない状況で、申告期限が来てしまったらどうするのでしょうか。

 

期限までに申告しないと、相続税に対して「延滞税」2.8%(平成27年)と「無申告加算税」を税金総額の15%(納付税額が50万円を超える部分には20%)を本税のほかに罰金税として支払わなければなりません。

 

例えば、相続税が、500万円だとすると、プラスで約100万円納付しなければなりません。ケンカしている場合ではないのです。

ちなみに、わざとではなく、うっかり申告書を提出し忘れていて、自主的に申告期限後に申告書を提出した場合は、「無申告加算税」は税金総額の5%で、申告期限の2週間以内の申告であれば0%になります。

 

それでは、このように10カ月の申告期限までに遺産分割がまとまらない場合はどうするか? その際は、とりあえずは法定相続分で遺産分割したものとして申告をしておきます。

 

預金も自宅(不動産)も株式もすべて法定相続分、例えば相続人が配偶者と子供2人であれば、それぞれの財産を配偶者1/2、子供1/4ずつに分けたものとして申告して、その分の相続税をそれぞれが納付しておきます。そうすれば、延滞税も無申告加算税も支払う必要はありません。

 

ただし、まだ実際には分割されていない財産の相続税を支払うのですから自腹です。なので、支払うべき相続税分(金)を持っていない人は、「ここで納得しなければ相続税を納付できない」となり、この「兵糧攻め」みたいなことで、「自腹ではとても支払えない」ので、「争続」が決着することもあります。

 

それでも、「もうこんなヤツと同じ申告書に名前を並べるのはゼッタイに嫌だ。でも余分な税金は支払いたくない。そのためには法定相続分の申告はしたい。」という方もいるでしょう。申告書に仲良く実印を押すのは嫌だという時は、互いに別々の申告書を提出することも認められていますので安心してください。それぞれの申告書では法定相続分の計算をして、ほかの相続人の欄には普通に名前等を記載しておいて、そこに大きく×印をつけて申告します。これで別々の申告書で申告ができます。

 

さて、その「法定相続分の申告」の後をどうするか。

それは次回に書かせていただきます。

 

 

林 卓也

税理士法人 SETACS

http://www.diichikeiei-t21.com/