お金にまつわるエトセトラ

第1回 ズバリ相続税!


相続税とは

健康でいながら歳を重ね、健康のまま寿命を全うするためには、現実問題として、健康であってもお金がなければ大変だし、逆にお金があっても健康でなければつまらないです。健康長寿のテーマは他の方に任せまして、私のテーマはずばり「お金」と「税金」を中心に書きます。

 

第1回目のテーマとしては、誰もが避けては通れない「相続」についてです。人間だれもが最後は死んでしまいます、何と言っても人間の死亡率は100%です。それで「相続」というものが発生するわけですが、その際、「相続税」がかかる人とかからない人がいます。

 

平成27年1月1日に死亡した方から、ぐっと「相続税」がかかる人が増えるはずです。はずです、というのは、「相続税」の税務署へ提出する申告書は、死亡後(税法的には、ちょっと言い回しが違うのですが、ここでは簡単に言いますと)10カ月以内となっているので、これから10月、11月になると改正された相続税の網にかかってくるわけです。どのように改正されたかというと、「相続税」は被相続人(亡くなった方)の財産から債務等を引き、そこから控除額を引いて、まだ財産があればかかってくるのですが、その控除額が今回はグーンと少なくなったのです。

 

改正前と改正後の控除額の比較は下記のとおりです。

 

 

改正前

改正後

基礎控除額

 5,000万円 

 3,000万円 

法定相続人1人につき

 1,000万円 

 600万円 

 

例えば、家族4人で父上が亡くなって、母上と子供二人が残された場合は、

改正前の控除額:基礎控除額5,000万円+法定相続人3人×1,000万円=8,000万円

改正後の控除額:基礎控除額3,000万円+法定相続人3人×   600万円=4,800万円

になります。

 

ようするに、平成27年1月1日以降に亡くなった方の遺産が4,800万円超であると「相続税」がかかるのです。

 

正確に言うと、

(遺産―債務-葬式費用)-控除額が4,800万円超

であると、「相続税」はかかるのです。 

 

この改正(改悪という人もいます)によって、改正前は相続税を支払う人は100人に3~4人と言われていたのが、100人に20~25人になるのではないかと言われています。

 

相続 写真

 

ここで、法定相続人とはどういう人なのかということをその法定相続分と合わせて説明いたします。

 

残された相続人によって、法定相続人とその法定相続分は違ってきます。

①  配偶者と子供だけ・・・

配偶者と子供だけが法定相続人になって、法定相続分は、配偶者1/2、子供1/2で、子供が2人であれば、×1/2で子供の法定相続分は1/4ずつになります。

② 配偶者と被相続人の親だけ・・・

子供がいないと被相続人の父母が法定相続人になり、法定相続分は、配偶者2/3、父母1/3になり、両親二人ともご存命であれば、×1/2でお一人1/6ずつになります。

③ 配偶者と被相続人の兄弟姉妹だけ・・・

子供がいないで、被相続人の父母も亡くっていると、被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になり、法定相続分は、配偶者3/4、兄弟姉妹1/4になります。

 

おいおいお話をしていくことになるかと思いますが、この③が一番揉めます。

この法定相続分は、相続税がかかる人に対しても、かからない人に対しても適用されます。

 

法定相続分=法律で決められた相続分なのだから、この通り分けるのが基本なのですが、例えば、父は数年前に他界し、母がこのたび亡くなり、その遺産のほとんどが不動産(自宅)の場合、長男は親の自宅に暮らしていて生活を一緒にし、最後は介護もしたから当然自宅は自分のものだと思っている。しかし次男は、自宅を出て結婚をし、ローンでマンションを買ってそこに家族で住んでいて、長男が家賃も支払わずに親の家に住んでいたのは不公平ではないかと思っている。

 

この場合、法定相続人は配偶者がいなくても子供がいるので、法定相続分はすべて子供で分けることになりますので、長男1/2、次男1/2になります。

 

これで分けると、自宅は分割され1/2ずつになるのですが、長男は1/2を次男に相続させると、将来禍根を残すと考えます。次男は、自宅は処分して、そのお金を二人で分けて欲しいと考えます。もしくは、1/2分のお金を長男に支払って欲しいと思います。ここに相続という漢字が「争続」に変わってしまう可能性が出てきます。

 

もちろん、とても仲の良い兄弟で、「兄貴は親の面倒を見てくれたのだから、自宅は僕はいらないよ」と次男が言えば、「それじゃあ悪いから、僕の預金を弟にあげるよ」と長男が応じ、何事もなく、すべて丸く収まることもあろうかと思いますが、そうでないことが圧倒的に多いのです。

 

しつこいようですが、これは、相続税がかかろうと、相続税がかからなくても、どの家庭にも起こる問題です。「もうあいつの顔は一生見ない」という事態にもなりかねません。

 

そろそろ相続のことを考えなくてはならない年代の皆さまは、相続についてどう考えていますか?

次回は、では「相続」を「争続」に変えないようにするには、どうすればよいかを考えてみたいと思います。

 

林 卓也

税理士法人 SETACS

http://www.diichikeiei-t21.com/