クルマを乗り替えたこと・・・中古外車の感想


まず、こよなくメルセデスを愛している方々は、この投稿をスル―していただきたい。これはあくまで私見であるのであしからず。

 

数年前、ジャガーからメルセデス(かなり型落ちの中古W211)に乗り換えた。ジャガー歴はXJ6、XJ8と通算15年になる。なぜ乗り換えたかというと死ぬ前に一度メルセデスというものに乗ってみたかったから。クルマは一回や二回乗っただけでは本質はわからない。と思ってる。メルセデスも何回か運転させてもらったことがあるが、いまいち特徴がつかめない。

ジャガーはやたら長い車体と本当に5人乗りかよ!というような狭い居住スペースが優美とさえいえる外観を創り出していた。「猫足」と呼ばれる地を這うような柔軟な足回りは、他車では真似できないたおやかな乗り心地を得ることができた。そのくせスピードはやたら出る。気をつけないと160㎞ぐらい軽くオーバーしてしまう。エルガーの「威風堂々(あたしんちのテーマソングじゃないよ)」を地で行くようなクルマ。それがジャガーXJ(X308)であった。

 

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かたやメルセデス。最初、運転した時は、固くて真面目なクルマだなぁと思ってた。 ワーグナーの「ワルキューレの騎行」あたりを想像してハンドルを握ったと思ってください。ところがなんというか運転していて一拍子抜けるというか。少なくとも歌劇でも管弦楽曲でもない。「威風堂々」がジャガーならワーグナーかなと思ったがそうでもない。カラヤンのベルリンフィルでもない。一拍抜けるのです。SBCとかいう電子式ブレーキアシストの装置がしょっちゅうジージー音を立てるし、やたらに操作ボタンがついているし、かゆい所に手が届くサービス満載の割に純正ナビは学習障害だし、お祭り機能満載で、騒がしい(室内は静かですが)。

そこで思い出したのがドイツの民族音楽。ホルンでブンカブンカやるバイエルンの三拍子の賑やかな音楽。メルセデスってまさにアレ。実に土臭い。つまるところメルセデスは高級車とかいうのではなくて、運転手に「粋(いき)」を強要しない大衆車なのですね。

 

BENZ

 

英国以南の高級車、スポーツカーはブラックタイやカクテルドレスが似合うけど(乗り手を選ぶけど)メルセデスはステテコで運転してもよろしいわけで、車内はいつも三拍子のポルカのノリ。薄汚れたジャガーはあまり見ないが、薄汚れたメルセデスはよく見る。乗ってると「てやんでぇ、べらぼーめ」的な気分になってくる。まかり間違ってもクルマは知性だ、なんて言葉は出てこない。つまりメルセデスは大衆的にいいクルマなのではある。ジャガーXJは薄命の貴婦人で、歳を経ても外観は衰えないが、内臓が痛むのは早く、10年乗ったジャガーの延命に費やしたお金でもう一台ジャガーが買えたほどだ。この乗り換えは、長く愛し続けた椿姫と別れて土臭いドイツ娘を後妻にもらいうけたようなものだ。じゃあ日本車にすればいいじゃないかというご意見もあろうが、実はジャガーの前にアリストという退屈かつ眠くなるようなクルマに乗っていた。良妻賢母をクルマにしたようなスポーティーセダン。あくびが出る。トヨタらしい。まあ、死ぬ前に優美と粋に別れを告げてしてぶんちゃかした賑やかなクルマに乗るのもいいものですよ。